橋爪彦七 「伊達政宗」を購入。
昭和18年の本です。
文章がかっこいい!
みんなかっこよすぎる。
ぜひ、時代劇でみたい。
ちょっと引用。変換がめんどうなので、旧かなは新かなに。
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「……今月今宵輝宗は、敵の馬上で自盡したと……自盡……」
言葉は切れた。
(御最期か――)
追いながら、伊達家の面々は、ぞくと、総身の毛穴のよだつようなものに襲われた。
「政宗を――政宗を護って……政宗を……」
おおあの御声(みこえ)。
敵の手中におわしながら、なお若館のおんことを案じたまう!
「大殿ッ!」
「はやまってくださいますな。大殿ゥ!」
こんどこそ輝宗の返事がなかった。
「大殿ーッ!」
絶望――と見るとき、義継が、何か叫びながら、馬背で、輝宗を抱きかえす様子だった。
騎馬で追う一同の瞳に、息づまるような、光景がうつった。
(大殿の御最期……)
凶も凶、最悪の事象が、誰もの官能へ、するどく応えたのである。
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私も息詰まりながら読みました(^^)
小十郎と政宗にもおいしい描写があったので、読みたい人は続きを。
この二人は魚と水が似合います。(魚釣りシーンだし)
留守の叔父上や左月入道もしびれるほど素敵なので、ぜひご一読を。
……たって、古本屋でしたきっと入手できないと思いますが。
300円はお買い得やったなぁ。シアワセだ。
小田原参陣時、底倉に押し込められ、食料にも不自由しながら沙汰を待つ主従。
無聊の慰めと食料自給のために釣りをしている政宗と小十郎です。
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云っているうちに、政宗の眼は、うるんできた。
声にも、熱が、ふくまれていた。
「こは勿体ない仰せ――」
小十郎は云うと、われを忘れて、手をあげた。
「――そのお言葉を賜るさえ、家来としては冥加にあまります。然し。今日の場合と相成ってはおそれながら主従一体と成りまして、伊達家の難儀を、きりひらくが肝要、そ、そのような御心遣いは、御無用になされませ」
小十郎の眼にも、涙が光っていた。
「小十郎!」
「館――」
二人は、いつの間にか、摺り寄っていた。
そこには、もう、身分のへだても、権力の相違もなかった。主を思う家来と、家来を思う主の魂だけが、完全に、溶けあっているのだった。
政宗は、手をさしのべて、小十郎の手を握っていた。小十郎も、うち顫(ふる)う手で、ひしと、政宗の手を握りかえしていた。
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2006年11月10日
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